こころみ薬事典

こころみ薬事典

全科

フェノバルビタール

薬効分類: 精神・神経

フェノバルビタールは精神・神経に分類される医薬品です。主な適応は「不眠症 不安緊張状態の鎮静 てんかんのけいれん発作 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む) 自律神経発」など。本ページではPMDA添付文書に基づく用法・用量、禁忌、相互作用、副作用と、規格別の薬価・包装情報を掲載しています。

⚠ 安全サマリー

禁忌〈製剤共通〉 本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者 急性間欠性ポルフィリ詳細 ↓併用禁忌〈製剤共通〉 ボリコナゾール(ブイフェンド)タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合:アドシ詳細 ↓主な副作用■重大な副作用 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:詳細 ↓

監修医による解説

GABA受容体を介した抑制性神経伝達を増強することで、抗てんかん作用を示すバルビツール酸系の薬剤です。長い半減期と広範な代謝酵素誘導能を持ち、特に強直間代発作や焦点発作に用いられます。

  • 薬物相互作用が多く、併用薬の血中濃度を著しく低下させる可能性があるため注意が必要です。
  • 眠気やふらつき等の副作用があり、連用により依存性を生じることがあるため慎重に用います。
  • 重篤な皮膚障害や過敏症症候群など、初期症状を見逃さないよう注意深い観察が必要です。

※ 添付文書をもとに作成し、監修医が確認した参考情報です。

監修: 大澤 亮太 医師(医療法人社団こころみ)

内服・錠

用法・用量

通常成人1日6~12錠を分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

規格先発薬価後発薬価
30mg10.4/錠
規格不明6/錠

内服・散

用法・用量

効能又は効果
用法及び用量
不眠症
フェノバルビタールとして、通常成人1回30~200mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
不安緊張状態の鎮静
フェノバルビタールとして、通常成人1日30~200mgを1~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
てんかんのけいれん発作
自律神経発作、精神運動発作

規格先発薬価後発薬価
10%7.5/g

内服・内用

用法・用量

効能又は効果
用法及び用量
不眠症
フェノバルビタールとして、通常成人1回30~200mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
不安緊張状態の鎮静
フェノバルビタールとして、通常成人1日30~200mgを1~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
てんかんのけいれん発作
自律神経発作、精神運動発作

規格先発薬価後発薬価
0.4%2.5/ml
規格不明46.3/g

注射

用法・用量

フェノバルビタールとして、通常成人1回50~200mgを1日1~2回、皮下又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

規格先発薬価後発薬価
100mg70/管

効能・効果

不眠症
不安緊張状態の鎮静
てんかんのけいれん発作
強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
自律神経発作、精神運動発作

禁忌

〈製剤共通〉
本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者
急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]
ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、イサブコナゾニウム、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビルを投与中の患者
〈エリキシル0.4%〉
ジスルフィラム、シアナミド、プロカルバジン塩酸塩を投与中の患者

副作用

■重大な副作用
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
過敏症症候群(頻度不明)
依存性(頻度不明)
顆粒球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)
肝機能障害(頻度不明)
呼吸抑制(頻度不明)
■その他の副作用
【頻度不明】猩紅熱様発疹、麻疹様発疹、中毒疹様発疹、血小板減少、巨赤芽球性貧血、AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸、蛋白尿等の腎障害、眠気、アステリキシス(asterixis)、眩暈、頭痛、せん妄、昏迷、鈍重、構音障害、知覚異常、運動失調、精神機能低下、興奮、多動、食欲不振、クル病 、骨軟化症 、歯牙の形成不全 、低カルシウム血症、甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常、血清葉酸値の低下、ヘマトポルフィリン尿 、発熱

飲み合わせ(併用禁忌)

〈製剤共通〉
ボリコナゾール(ブイフェンド)タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)マシテンタン(オプスミット)
マシテンタン・タダラフィル(ユバンシ配合錠)
チカグレロル(ブリリンタ)アルテメテル・ルメファントリン(リアメット配合錠)ダルナビル・コビシスタット(プレジコビックス配合錠)
ドラビリン
(ピフェルトロ)
イサブコナゾニウム
(クレセンバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ミフェプリストン・ミソプロストール
(メフィーゴ)
ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン(エジュラント)
リルピビリンの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ニルマトレルビル・リトナビル
(パキロビッド)
ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン(オデフシィ配合錠)
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(ビクタルビ配合錠)
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するため、この薬剤の効果が減弱し、この薬剤に対する耐性が発現する可能性がある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(シムツーザ配合錠)
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(ゲンボイヤ配合錠)
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル・ベルパタスビル(エプクルーサ配合錠)
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ドルテグラビル・リルピビリン(ジャルカ配合錠)
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
カボテグラビル
(ボカブリア)
カボテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤のUGT1A1誘導作用によると考えられている。
〈エリキシル0.4%〉
ジスルフィラム(ノックビン)シアナミド(シアナマイド)プロカルバジン塩酸塩
これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある。
エリキシル剤はエタノールを含有しているため。

同成分・同種薬(抗てんかん剤)

この薬が使われる主な病気・症状

不眠症不安症てんかん不安・緊張

よくある質問

Q. フェノバルビタールは何に使う薬ですか?
フェノバルビタールは精神・神経に分類される医薬品で、主に「不眠症 不安緊張状態の鎮静 てんかんのけいれん発作 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む) 自律神経発作、精神運動発作」などに用いられます。
Q. フェノバルビタールの用法・用量(飲み方)は?
添付文書では「効能又は効果 用法及び用量 不眠症 フェノバルビタールとして、通常成人1回30~200mgを就寝前に経口投与する」などとされています。実際の用法・用量は症状や年齢で異なるため、医師の指示と最新の添付文書に従ってください。
Q. フェノバルビタールの主な副作用は何ですか?
主な副作用として「■重大な副作用 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)」などが報告されています。気になる症状があれば医師・薬剤師にご相談ください。
Q. フェノバルビタールにジェネリック(後発医薬品)はありますか?
現時点でこのデータベースに後発医薬品の登録は確認できません。
Q. フェノバルビタールで注意が必要な飲み合わせはありますか?
「〈製剤共通〉 ボリコナゾール(ブイフェンド)タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)マシテンタン(オプスミット) マシテンタン・タダラフィル(ユバンシ配合錠) チカグレロル(ブリリンタ)アルテメテル・ルメフ」など併用に注意が必要な薬剤があります。服用中の薬は必ず医師・薬剤師にお伝えください。
出典: 添付文書情報は 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の提供データに基づきます。基本情報・薬価は厚生労働省 薬価基準、包装は MEDIS HOT コードマスターによります。
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本ページは医療従事者向けの参考情報です。診断・処方・服薬の最終判断は最新の添付文書および医師・薬剤師の判断によってください。
監修: 大澤 亮太(精神保健指定医/医療法人社団こころみ 理事長) 免責事項薬事典で検索